庭に出て一服しようとしましたら、潮の香りがする夜風でした。
僕の生まれ育った神奈川Y市のある町は、Y港から4kmのところにあり、
海辺のイメージはありません。
長じて住み着いた東京S区、C市、H市はむろんのことに、
飛ばされたメリケンLI島もまた海辺ではありませんでした。
そういったなかでは、いまこうして暮らしている神奈川C市が
海岸線にいちばん近いのですが、それでも1.5km離れています。
ですから普段はあまり海辺というイメージも持たずに暮らしていますが、
それでもこのC市を走る無数の自転車のなかには、
真っ赤に錆び付いたものをしばしば見かけます。
この、梅雨入り寸前のこの時期、この辺りでは霧の夜がチョイチョイあり、
潮の香りがする霧の晩ということもたまにあります。
今夜もまさにそういった風情の晩だということです。
これが本格的な雨の季節になるとそういった機運はすっかり失せ、
そののちには文字通り焼けるような夏が到来します。
2007年はホントに暑かった。
僕も家のなかで熱中症になりかけました。
2008年は2007年ほどではないにせよ、それでも充分暑かった。
暑さで発狂することは往々にしてあり得ることを体験しました。
はたして本年の夏はいかなる夏か。
いまから怯えております。
がんばってエヤコン入れるか、
あるいはもっと頑張って悟りの境地に達するか。
ここで感じる潮の香りは、そういうことを想像させてくれます。